QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




大西良雄ニュースの背後を読む

2018年7月 9日 15:47

日本が米中貿易戦争で「漁夫の利」を得る?

(2018年7月9日筆)

 米トランプ政権とEU、カナダ、メキシコ、ロシアそして中国の間で制裁・報復の関税引き上げ戦争が始まった。日本も鉄鋼・アルミで制裁関税の適用を受けたが、米国に対して報復関税を実施していない数少ない国となった。

 日本が対米報復を実施しないのは、対米隷属と言われても核・ミサイル・拉致をめぐる北朝鮮との緊張関係を抱える現在、日米同盟の関係悪化を避けたいというのが第一の本音だろう。第二は対日制裁が鉄鋼・アルミにとどまっているかぎり日本経済への影響は軽微であるという判断もあるのだろう。


日本企業が中国の関税引き下げ、代替輸出などで漁夫の利?

 米国対中国の貿易戦争が最も深刻だ。トランプ政権は7月6日、中国に対してのみ米通商法301条(不公正な貿易慣行への制裁)を発動、340億ドル(約3.8兆円)相当の中国製品に対して25%の追加制裁関税に踏み切った。これに対し中国も同額の報復関税を実施、米中貿易戦争がついに現実のものとなった。

 世界第1位と第2位の経済大国による制裁・報復の間隙を縫って日本が「漁夫の利」を得るという見方もある。

 第一が日本の自動車と自動車部品めぐる漁夫の利だ。中国は対米貿易摩擦への対応策として7月1日から25%だった自動車関税を15%へ、8%~25%だった自動車部品の関税を一律6%へ引き下げた。この中国の輸入関税引き下げで日本車は競争優位にある自動車部品を含め最も恩恵を受けることになる。

 第二は、中国の対米輸出品に対する日本からの代替輸出の増加だ。制裁対象の自動車、機械・機械部品、半導体・電気機械、医療機器などの中には米国が輸入先を中国から日本へ切り替える製品・部品が出てくる可能性もある。中国進出企業が自社製品を日本や韓国など関税率の低い第3国を経由して迂回輸出する場合もあり得る。

 第三は、中国による知的財産侵害は米国企業だけではなく日本企業にも及んでいる。中国が米国の制裁に屈し、外資企業の知的財産保護や現地進出企業に対する出資比率の上限緩和・撤廃に踏み切れば、そのメリットは日本企業にも及ぶことになる。

 こうした日本企業の漁夫の利を評価してか、日経平均株価は米国の対中制裁発動の後、回復に転じている。鉄鋼・アルミの制裁、最終500億ドルの対中制裁の日本経済への影響は軽微だとする判断も背後にあるのだろう。


対中制裁の拡大、対日自動車関税の引き上げで漁夫の利は消滅

 ただし、以上の「漁夫の利」は、①米国による制裁関税の規模が対中輸入額340億ドル(2週間後、500億ドルに拡大)以上に大きく拡大しない、さらに②日本が米通商拡大法232条(輸入の安全保障上の脅威に対する制裁)の適用による自動車関税引き上げ(20%の追加関税)の対象にならないことが前提条件になる。

 トランプ大統領は対中制裁拡大の姿勢を強めている。中国が報復関税を課すなら、当初の500億ドルに加え2000億ドル、3000億ドルと追加関税対象を積み増すと脅しを賭けた。これが全部実施されれば合計5500億ドルに達し、2017年の対中輸入総額すべてに25%の追加関税を課すことになる。

 対中輸入品のすべてに追加関税を課すなど荒唐無稽な話だが、対中貿易戦争に関する限り民主・共和問わず議会の大統領への支持が厚いといわれる。米中対立が先鋭化すれば対中制裁が拡大する可能性もないとは言えない。

 しかし対中制裁の拡大は中国の経済と金融に強い打撃を与えるのみならず米国経済自身にも被害が及ぶ。中国製の半導体、電子部品、機械部品を輸入し組み立ている米国内製造者が打撃を受ける。日用雑貨・衣料品からスマホなどハイテク電子機器まで消費市場の隅々まで行き渡る中国製輸入品に追加関税の影響が及び米国人の消費生活を脅かすことになる。

 一方、中国が報復関税を拡大すれば、大豆を筆頭に米国産の農畜産物あるいはシェールオイルなどの対中輸出も大打撃を受ける。さらに二大経済大国の制裁・報復の応酬が貿易の縮小を招き世界景気の減速に拍車をかけかねない。トランプ政権が対中制裁を拡大すればするほど米国経済に負のブーメラン効果が発生することになる。


自動車関税引き上げなら日本経済への影響は深刻に

 日本車に対する自動車関税の引き上げ(20%の追加関税を予定)についても楽観は許されない。トランプ氏は米商務省に命じた「自動車輸入の安全保障上の脅威」についての調査前倒しを指示、今後3~4週間以内に制裁関税を課すかどうかの判断を下すという。

 日本の自動車対米輸出額(2017年実績)は、日本からの直接輸出4.5兆円、カナダ、メキシコなど第3国生産の輸出4.0兆円、合わせて8.5兆円に上る。これに自動車部品の対米輸出額約1兆円を加えれば、総額9.5兆円に達する。20%の追加関税を製品価格に転嫁できなければ日本の自動車メーカーは約2兆円弱の利益減に見舞われる。

 その影響は鉄鋼・アルミの制裁関税による直接被害や中国への500億ドルの制裁関税による間接被害を大きく上回る。そうなると「漁夫の利」どころではない。安倍総理の対トランプ交渉力が問われる。

2018年6月25日 14:28

老朽・水道管路の更新か、陸上イージスの配備か

(2018年6月25日筆)

 最大深度6弱の大阪北部地震で水道管が破裂した。破裂したのは高槻市内に埋設され55年経過した水道管と吹田市内の53年経過した水道管だった。この水道管を利用する高槻市、箕面市あわせて約2万8600戸が断水に見舞われ、ライフラインの危機が再現された。


耐用年数を超す老朽・水道管が破裂、高まる老朽化率

 水道管の法定耐用年数は40年だが、2つの水道管は耐用年数を10年以上超えた老朽水道管だった。中規模の水道管だったためか、これを管理する大阪広域水道企業集団の更新計画には含まれていなかった。もちろん耐震化工事も施されていないという。

 水道管の敷設は1970年代の高度成長期に急速に進み1978年には普及率が90%を超えた。以来すでに40年が経過、厚労省によると法定耐用年数を超えた老朽・水道管路の比率は全国平均で2015年度13.6%に達している。老朽化の比率は今後どんどん上昇、2045年度には59.5%にもなるという。

 高槻、吹田の破裂した水道管は1960年代に敷設されたものだ。両市が属する大阪府は耐用年数を超えた老朽・水道管路の比率は28.3%(15年度末)と全国で一番高く平均を大きく上回る。大阪府に続いて老朽化比率が高いのは神奈川県21.7%、山口県20.5%、宮城県18.8%だ。

 法定耐用年数を過ぎた水道管路は更新期を迎えるが、その更新率は年々低下、2015年度は全国平均でわずか0.74%にすぎない。厚労省では0.74%の更新率で単純に計算すると「すべての管路を更新するのに130年以上も要する」(厚労省・2017年8月「最近の水道行政の動向について」)と人ごとにように書いている。

 もう一つ、水道管の耐震性はどうか。厚労省によると耐震適合性のある水道基幹管路(家庭等への支管、給水管を除く)の割合は全国平均で37.2%にとどまっている。鹿児島、和歌山、愛媛、秋田、沖縄など過疎県の耐震適合率は全国平均を大きく下回り、25%以下だ。


人口減少で料金収入が漸減、水道管の更新どころではない

 なぜ、老朽・水道管の更新が進まないのか。2020年代には水道管路の更新に年間1兆円が必要となると予想されている。だが水道事業を運営する地方自治体やその傘下の広域企業集団は、更新するための財政資金が大いに不足している。カネがなければ更新が進むはずがない。

 水道事業は独立採算制だ。収入は水道料金がほとんどで地域人口の減少で給水量が減少、料金収入の減少が止まらない。一方、給水量の増減に関わらずほぼ固定されている。人口が減ったからといって水道管路設備を止めるわけにはいかず一定の維持・管理の費用が掛かるからだ。

 水道管路の維持運営費用は減らないのに料金収入がどんどん減って水道事業の収支が悪化、水道管路の更新費用を捻出できないのが現実だ。更新費用の捻出どころか、通常の維持管理すら賄えず水道料金の大幅な引き上げに追い込まれた地方自治体も少なくない。

 厚労省は「すべての水道管路を更新するのに130年以上も要する」というが、その130年間に何回激しい地震が日本列島を襲うのか。強い地震が発生するたびに老朽・水道管が破裂、長期間の断水が発生、生活に不可欠な水道というライフラインが途絶えることになりかねない。

 地方自治体傘下の事業体が水道管路の更新費用を捻出するには水道料金をさらに大幅に引き上げるしかない。しかし、円安などで原油や小麦など輸入財の価格が上昇、電気・ガスや食料品など生活必需財が値上がりする中、水道料金がさらに上がるのに国民は耐えられるだろうか。


バター(水道管の更新)か、大砲(軍備の拡充)か

 水道管路は電力、ガスと同様、国民生活に不可欠なライフラインだ。これを地震や台風など自然災害から守るのも立派な「安全保障」政策といえるのではないか。だが安倍政権では「安全保障」といえば第一に軍事力整備だ。水道管路などの「安全保障」には関心が薄いように見える。

 米朝首脳会談で北朝鮮が核ミサイルを封印する可能性が出てきた。安倍政権はそれでもなお、北朝鮮のミサイル攻撃に備えるとして陸上配備イージスシステムを配備する方針を変えない。陸上配備イージスシステムの導入費用は、装備する迎撃ミサイル分を含め2基で3000億円以上かかるといわれる。対北朝鮮という意味では無用の長物となるかもしれないのに...。

 昨秋の日米首脳会談ではトランプ大統領は「日本が膨大な米国の最新兵器を追加で買う」と述べた。わが国は対米貿易黒字解消のためにいかほどの米国製兵器を買わされるのだろうか、安倍総理は知っていても語らない。

 一方、安倍総理を支える自民党からは防衛費をGDP比2%に拡大せよという提言が出た。これに従えば年間5兆円超の防衛費は10兆円以上へ年5兆円の増加になる。これも米兵器購入の受け皿になるのだろう。

 今後、水道管路の更新に年間2兆円、防衛費の拡充に年間5兆円の予算が必要となると、古くて新しい「バター(民生)か大砲(軍備)か」という命題が頭に浮かぶ。膨大な債務(借金)を抱え予算制約がきついわが国では「バターも大砲も」の予算は財政破たんに近づく道だ。

 限られた予算だ。同じ「安全保障」に関わるのなら大砲(軍備)よりバター(水道管の更新、耐震化)のほうに国税を投じてもらいたいと思う。ミサイル死より震災関連死のほうが小生には現実味があるからだ。

2018年6月11日 10:53

スルガ銀行はマイナス金利が生んだ異形のあだ花

(2018年6月11日筆)

 地銀の中堅、沼津市に本店があるスルガ銀行は日銀の超低金利政策(今はマイナス金利)が響いて多くの地銀が利益低下に悩む中、6年連続で増益を記録、金融庁の覚えもめでたい銀行として知られていた。6年前まで600円台だった株価も2600円台に上昇した。


「優良株」の株価が半値以下に、投資用アパマン融資に多額の焦げ付き

 ところが一転、スルガ銀行の株価は急落、1月高値2569円から6月8日終値1085円まで58%も下落した。下落の始まりは女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社がオーナーに約束した賃借料の支払いができていないことが判明したことだった。スルガ銀行は「かぼちゃの馬車」のオーナーに建設資金を融資していた。

 オーナーの多くは副収入目当ての30~50歳のサラリーマンだったが、スルガ銀行は審査書類を改ざんして1億円~2億円もの建設資金を融資していたという。融資金の返済原資となる運営会社からの賃借料収入が途絶えてしまえばサラリーマン・オーナーは返済不能になる...。

 その後、「カボチャの馬車」の運営会社は破たん、シェアハウス・オーナーに返済不能者が続出した。スルガ銀行は融資焦げ付きに備え貸倒引当金を積み増さざるを得ず、前2018年3月期決算で異例の修正を行う結果となった。修正前210億円だった連結純利益を69億円に修正、84%もの大幅減益(17年3月期純利益426億円)となった。

 貸倒引当金はまず、シェアハウス・オーナー向け融資(総額2035億円)に対して420億円が計上された。さらにシェアハウス向け以外の投資用アパート・マンション融資にも問題融資があることが分かり、これに対しても155億円強の貸倒引当金が追加計上された。

 スルガ銀行の増益の牽引者となっていた融資案件に大きな疑念が生じ貸倒引当が急増したのだから、株価が半年で半値以下になって当然だった。


中堅のスルガが地銀最大・横浜銀行を上回って本業利益トップ、なぜ

 スルガ銀行のそれまでの業績は目を見張るものがあった。週刊東洋経済「銀行員の不安」特集(18年6月2日号)の「地銀105行本業利益ランキング」が興味深い。本業利益は預貸業務と手数料等役務業務の利益合計で示されるが、このランキングでスルガ銀行は16年度、17年度連続してトップだった。

 2017年度、スルガ銀行は643億円の本業利益を挙げた。2位は538億円の横浜銀行だが、横浜の17年度末貸出金残高は10.7兆円と地銀最大だ。これに対してスルガ銀行の貸出金残高は3.2兆円と横浜の3分の1程度に過ぎない。そのスルガ銀が規模で3倍の地銀の雄・浜銀の本業利益を100億円以上も上回ったのだ。

 本ランキングは地銀単体ベースの数値で持ち株会社ベースではわからない地銀105行の本業利益が示されている。ちなみに2017年度は105行のうち半分近い48行が本業赤字だ。経営に不安のない信用力が支えの地銀だが、その半数近くが赤字というのは由々しき事態だというほかない。

 スルガ銀行は東の地銀最大・横浜銀行、西の地銀最優良と称された静岡銀行(本業利益5位275億円、貸出金残高8.2兆円)に挟まれた、預金残高ランクで30位前後の中堅地銀に過ぎない。そのスルガ銀行がなぜ、浜銀、静銀という両隣の有力銀行を上回る本業利益を稼ぎ出すことができたのか。


貸出金利回りは地銀平均の3倍以上、高い貸出金利のアパマン融資で稼ぐ

 その秘密は、3.61%(18年3月末)にもなる高い貸出金回りにある。地銀平均の貸出金利回りは年々低下し現在は1%強に過ぎない。スルガ銀行は中小企業向けや自治体向けなど貸出金利引き下げ競争が激しい融資から撤退、高い貸出金利が期待できる個人向けローンに傾斜した。現在、個人ローン比率は90%超に達している。これが地銀平均の3倍以上の貸出金利回りを実現する原動力になった。

 スルガ銀行の個人ローンの主力は通常の住宅ローン(融資残高2兆円超)だが伸びが鈍化、それを補うため単身女性や転職者、非正規社員向け信用力は低いが高い貸出金利となる分野へも住宅ローンを拡充したという。その結果、通常の住宅ローンでも3.45%(17年9月末)の貸出金利回りを確保している。

 その一方、「パーソナルローン」と称する個人ローンを拡販、融資残高約9084億円(17年9月末)の規模に育て上げた。パーソナルローンの貸出金利回りは5.79%にもなる。その中核が「有担保パーソナルローン」と称する今回の問題となったシェアハウス向けを含む個人向け投資用アパート・マンション融資だった。この「有担保パーソンローン」は住宅ローンを上回る高い貸出金利となり、スルガ銀行の増益に貢献していた。


地銀の半数近くが本業赤字の中、スルガ銀行ひとりが儲けるなどあり得ない

 地銀の経営環境は厳しい。少子高齢化で地域人口が大きく減少、新規融資先が減っている。日銀の超低金利政策もあって地銀の平均貸出金利は直近0.95%と1%割れだ。国債への運用利回りもゼロ%近辺、前期は米国債の下落で国債等運用損益は大幅赤字となった地銀も少なくなかった。

 教科書には貸し倒れリスクの高い融資案件の貸出金利が高くなるのは理にかなっているとある。スルガ銀行がハイリスク融資先の審査・管理を徹底して貸倒れリスクを小さくして高収益を上げたのなら評価される。しかし実際、スルガ銀行は融資先の返済能力や担保を評価するための貸出審査書類を改ざんしてまで貸し込んできたのだ。高い貸出リスクを偽って高い貸出金利を設定してきたのだ。

 すべての地銀が苦しんでいる中、ひとりスルガ銀行だけが高利回りビジネスモデルで成功するなどあり得えるのか。都心部ですら空き家が問題になっている住宅の過剰供給時代に、高利回りアパート・マンション融資が持続できるか疑わしい。スルガ銀行のアパマン融資による高利回り経営は、日銀の量的金融緩和によるバブル融資の一角、マイナス金利がもたらした異形のあだ花だったようだ。

2018年5月28日 11:21

わが庭のアジサイがほぼ満開です

(2018年5月28日筆)

 「やるの止めるの」の米朝会談、責任をどうとる「モリカケ疑惑」の総理に財務相、それにアメフト・タックル反則事件です。これでテレビのワイドショーが大騒ぎしているうちに、わが庭のアジサイが一斉に咲き始めました。閑話休題、今回はわが庭のアジサイの話です。


40年以上前、亡き父が移植したガクアジサイが始まり

 さきほど家内と庭に植わっているアジサイの株数を数えました。垣根、玄関、庭先のアジサイが全部で18株(うち1株は小さなアマチャです)ありました。垣根のアジサイが最も多いのですが、咲き揃えば通りすがりの人が「きれいですね」と話しかけてくれます。

image1.png
 他に植木鉢に5株が植え付け予備軍として待機しています。その植木鉢の一株は母の日に長男夫婦が贈ってくれたピンクのガクアジサイです。カーネーションに代わってピンクのアジサイを母の日に贈るという新しい習慣ができているのでしょうか。咲き終わったら陽当たりの良い垣根沿いに植え込もうと思っています。

 いまさらながらですが、株を数えているうちにアジサイといってもいろんな種類があることが分かりました。ネットで調べると大きく分けて2つ、額縁のように花芯の周りに咲く「額咲きのアジサイ」(ガクアジサイ)、それと花(実は額の花)がたくさん集まって咲いている「手毬咲きのアジサイ」(本アジサイ)です。

 わが庭には最初、亡き父が40年以上前に自宅から持ってきて移植した水色のガクアジサイしかなかったのですが、家内が鉢植えで買ってきて観賞したあと植え込んだり、差し芽をして育て植え込んだりして徐々に増えていきました。

 額の花が一段と長いガクアジサイの「墨田の花火」、ちょっと珍しい八重咲きの「万華鏡」は、珍しいからといって鉢植えで買ったアジサイです。本アジサイでは、平凡ですが家内が好きな水色とピンクの「手毬咲き」があります。これも鉢植えで買って植え込みました。

 花の色は、オーソドックな藍色とピンク、白色に水色、深い紅に深い青とさまざまです。最近は深い紅のアジサイの妖艶な美しさが気に入っています。

 ネット情報の受け売りで申し訳ないのですが、アジサイには「額咲き」「手毬咲き」、「墨田の花火」「万華鏡」「アマチャ(甘茶)」など風物詩のような和語形容詞が付いていて楽しいですね。


花言葉は「移り気、変節」から「一家団欒、元気な女性」へ変化

 家内も小生も華やかで鮮やかなアジサイの花が大好きで見るだけで気持ちが明るくなります。これからも鉢植えの移植、差し芽を続け、垣根をアジサイで埋め尽くし、通りすがりの人にも楽しんでもらいたいと思っています。

 最後にひとつだけ、アジサイの花言葉がどうにも気に入りません。花の色が変化していくことから「移り気、浮気、変節」、青や藍色のイメージから「冷淡、冷酷、高慢、無情」という否定的な花言葉が付いているようです。

 しかし最近は、額の花が寄り添って咲いていることから「一家団欒、辛抱強い愛情」、赤やピンクの花イメージから「元気な女性」という好意的な花言葉も出てきているようです。母の日にピンクのアジサイを贈るという新しい習慣ができたのは、そうした好意的な花言葉のおかげなのでしょう。

2018年5月14日 13:59

誰が信じるのか、安倍政権の「2つの政策目標」

(2018年5月14日筆)

 安倍総理は「信なくば立たず」と繰り返している。しかし、国民の信頼はいまや地に堕ちている。読売新聞の4月世論調査でも内閣不支持率は53%に達し、不支持の理由の第一は「首相が信頼できない」で62%にもなる。安倍総理シンパのメディアといわれる読売ですらそうだから、他は推して知るべし、だ。

 「首相が信頼できない」と多くの国民が思う理由は、森友学園、加計学園など安倍総理のお友達を優遇する不公正な行政への疑惑にある。小生にも首相が信じられない理由は多々あるが、中でも重要なのはいよいよ信じられなくなってきた安倍内閣の金融・財政に関する「2つの政策目標」の行方だ。


7度目の達成時期先送りは回避、信じられない2%物価目標の実現

 そのひとつはアベノミクスの主柱である日銀による2%物価目標の達成だ。2%物価目標の達成は安倍政権発足直後の2013年1月に公表されたの政府・日銀の共同声明で両者の共通目標になっている。

 黒田総裁は2013年4月の就任後の大規模緩和の実施に当たって2%物価目標の達成時期を2年後の2015年度に置いた。だが2年後になっても目標を実現できなかった。その後も達成時期を明示してきたが実現できず、できないことの言い訳を幾度も変えながら6度も達成時期を先送りしてきた。

 6度の先送りで専門家の中にも量的緩和(日銀による長期国債の購入)という政策手段の即効性に疑いを持つ者も増えた。いつまでも実現できない2%物価目標自身にも疑いの目が向けられるようになっている。そうした中で達成時期の7度目の先送りが発表されれば、黒田日銀への信頼も地に堕ちることになる。

 しかし、今年4月の政策決定会合で示された日銀自身の消費者物価見通しは2018年度1.3%、19年度1.8%、20年度1.8%(消費税率引き上げの影響を除く)にとどまった。2020年度になっても2%物価目標は達成できない見通しになっている。

 「2019年度頃」としていた達成時期を先送りせざるを得ず7度目の先送りが必至となっていたが、7度目の先送りは日銀の金融政策の信用を大きく傷つける結果を招く。日銀が信じられなくなれば、大規模な量的緩和によって「人々のインフレ期待に働き掛け物価目標を達成する」という日銀の金融政策そのものが疑われ危うくなる。その結果、インフレ目標も実現できなくなる。


物価目標の達成時期を削除、だらだら続き長期化する量的緩和

 それを恐れてか、黒田日銀は4月公表の「展望レポート」から2%物価目標の達成時期そのものを削除した。達成時期は削除したが、「2%の物価目標が達成されたとしても、2%以上の物価上昇率が実績値で安定的に維持されるまで量的・質的緩和を続ける」とするコミットメント(約束)は継続するという。

 だが、消費税引き上げの影響を除いたベースで2%以上の物価上昇率を「実績値で安定的に維持する」という約束を満たすのは容易ではない。大幅な円安と資源高が併存し輸入物価が持続的に上昇する―、それ以外では実績値で安定的に2%以上の物価を実現するのは難しいだろう。

 となれば出口なき量的緩和が20年度を超えてだらだら続くのではないか。量的緩和がだらだら続けば、日銀のバランスシートに日本国債の保有残高がさらに積み上がる。その見返りに民間金融機関の日銀当座預金がさらに積み上げられる。日銀は緩和の出口に想定される当座預金への金利引き上げで多大な損失が生じるリスクがさらに強まり、自らの信用が棄損される......。


基礎的収支黒字化も5年先送りだが、実現の可能性は極めて低い

 誰も信じない目標のもう一つは、税収などの歳入で国債費を除く歳出を賄える収支を表す「基礎的財政収支の黒字化」という財政再建の目標だ。

 前回のブログにも書いたので詳しくは触れないが、安倍政権は今年6月にも新たな財政健全化計画を示し、基礎的財政収支を黒字化する目標年度を2020年度から2025年度へ5年先送りする方針だという。

 18年1月に内閣府から出された「中長期の経済財政に関する試算」によれば、名目3%前半、実質2%の成長実現ケースでも国と地方の基礎的財政収支が黒字化するのは2027年度だ。名目1%後半、実質1%強という現状に近いベースラインケースでは27年度に8.5兆円の赤字が残るという試算だ。

 いずれのケースでも2019年10月実施予定の消費税2%増税による税収増加分が見込まれている。それでも27年度の黒字化すら危ういという試算だ。にもかかわず安倍政権は黒字化試算から2年前倒しした25年度に黒字化を達成するという目標を立てるというのだ。そんな目標を誰が信じるのだろうか。


総理在職中だけ景気が良ければ...、19年10月消費増税も先送り?

 2025年度に黒字化を達成するには、歳入面では19年10月の消費増税を確実に実行したうえで他に新税あるいは社会保険料の引き上げが必要になる。歳出面では高齢者を対象とする社会保障費の大幅な削減が必要になる。

 いずれも国民・消費者に大きな負担を強いることになるが、「選挙が第一」の安倍政権がそれらを財政健全化計画の中に組み込むとはとうてい思えない。2019年10月の消費増税すら危うい。安倍政権になって2度消費増税を先送りしたが、3度目の増税先送りとなる可能性も大いにある。

 つい先日、自民党の若手議員39名が「消費増税の凍結と基礎的財政収支黒字化目標の撤廃」を求める提言を発表した。提言には「首相の意向が働いている」(朝日新聞5月12日朝刊)というのが本当なら、安倍政権が策定する財政健全化計画など信じるほうがおかしい。

 安倍総理は総裁3選に成功すれば2021年9月まで総理の職にある。それまでに東京五輪後の景気後退に耐えて2%物価目標を実現できるか、微妙なところだ。しかも基礎的財政収支の黒字化達成の2025年度には安倍総理も麻生財務大臣もその職にはいない。

 総理は日銀が量的緩和(国債購入)の長期化を利用して事実上の財政ファイナンスを継続、総理在職中、好景気が持続すればいいと思っているのかもしれない。

 2%物価目標の達成、基礎的財政収支黒字化の実現という2つの政策目標はいずれも国家運営の基本の属する目標だ。しかし安倍総理が率先してその目標実現に取り組むか疑わしい。実現を約束しても空手形、総理退任後のことなど知ったことではないということなのだろうか。
プロフィール
ニックネームさん
大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
月別アーカイブ
2018年7月
2018年6月
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
2012年7月
2012年6月
2012年5月
2012年4月
2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2011年2月
2011年1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
2010年6月
2010年5月
2010年4月
2010年3月
2010年2月
2010年1月
2009年12月
2009年11月
2009年10月
2009年9月
2009年8月
2009年7月
2009年6月
2009年5月
2009年4月
2009年3月
2009年2月
2009年1月
2008年12月
2008年11月
2008年10月
2008年9月
2008年8月
2008年7月
2008年6月
2008年5月
2008年4月
2008年3月
2008年2月
2008年1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年9月
2007年8月
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2007年2月
2007年1月
2006年12月
2006年11月
2006年10月
2006年9月
2006年8月
2006年7月
2006年6月
2006年5月
2006年4月

ページトップへ

カレンダー
<< 2018年07月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
日本が米中貿易戦争で「漁夫の利」を得る?
老朽・水道管路の更新か、陸上イージスの配備か
スルガ銀行はマイナス金利が生んだ異形のあだ花
わが庭のアジサイがほぼ満開です
誰が信じるのか、安倍政権の「2つの政策目標」
最新コメント
トランプと安倍首相を...
Posted by 坂田三吉
LS北見カーリングチ...
Posted by かずちゃん
大西先生世の中の表象...
Posted by Anonymous
ありがとうございます...
Posted by Anonymous
経済政策・少子化政策...
Posted by Anonymous
最新トラックバック
【記事】日本が米中貿易戦争で「漁夫の利」を得る?
from QuonNetコミュニティ
【記事】スルガ銀行はマイナス金利が生んだ異形のあだ花
from QuonNetコミュニティ
【記事】わが庭のアジサイがほぼ満開です
from QuonNetコミュニティ
【記事】誰が信じるのか、安倍政権の「2つの政策目標」
from QuonNetコミュニティ
【記事】財務官僚の弱体化で財政再建が絶望的になる恐れ
from QuonNetコミュニティ